2016年9月25日日曜日

「萬川集海」と忍者の信仰


出典 http://goshanosho.ocnk.net/

「萬川集海」という江戸時代に著された忍者の奥義書がありますが、この書には、「目的のために塀や石垣を乗り越えて鍵を開けて侵入する忍者の術は、ほとんど盗賊の術のようなもの」という内容があります。

さらに同書には、忍者は「正心を第一とする」とも記されています。忍者自体が盗賊に近い者であるからこそ、忍術を正しくつかわなければ「忍者」でなくなってしいまうことを戒めた一節です。

「忍びとて 道にそむきし ぬすみせば 神や仏のいかで守らん」という忍歌も載っています。

この歌は、安易に盗みなどに手を染めることは、神仏に見放されることと同義だと戒めています。

忍者は、摩利支天を深く信仰し、超人的な精神力で失敗を許されない任務をこなしてきたといわれています。

摩利支天とつながることにより、姿を消すこともできたといわれています。

忍者といえども、神や仏を信仰し、正しい心で事をなしてきたのです。このことは現代でも
生きていくうえで、大事なことを気が付かせてくれる気がします。

忍者は文字通り命をかけて必死に生きてきたからこそ、神を信仰し、それぞれの正義の心を大事にしてきました。

詰まるところ、どの宗教を信じるか、どの神を信じるかという問題ではなく、個人個人の神との本気のつながりの問題な気がします。